この研究会は、弁護士業界が現在直面している問題点を端的にお示しし、その改善点を提言しようというものです。もちろんこの小冊子で全てを語り尽くせませんが、研究会で重要と思われる項目について意見を述べることにいたしました。
その大目標は、「弁護士から発する新たな司法改革」、「法の支配の実現」と「地方創生への取組」であります。「新たな司法改革」ですが、2001 年の司法改革は弁護士に対する批判も原因の一つでした。法曹養成制度等、弁護士自ら制度改革を行う必要性が高まっていると感じます。土台から変えていく努力が重要だと考えています。「法の支配」という言葉はよく使われる用語ですが、適正な手続を実現し、その手続に従ってできる法を的確に執行する機能が必要です。そのために、司法の役割は非常に大きく、司法の一員である私達弁護士は、手続の適正を保つ役割を担っているといえます。また、法の支配だけでは充分ではなく、法の支配と民主主義、そして人権保障が相互に作用して初めて良い法の支配ができると信じています。司法の世界に参加している私達にとって、この法の支配への貢献は必要不可欠であると考えています。
次に、「地方創生」です。政治家のフレーズと被ってしまい申し訳ないのですが、あえて使わせてください。大都市圏以外で弁護士をしている会員の多くと大都市圏の会員の多くは、その仕事の内容も収入も差があると感じています。弁護士の二極化の問題は、昔から弁護士業界に対するリスクを生じる原因の一つであると考えていましたが、今は二極化ではなく、多極化だと感じます。大都市圏でもいわゆる街弁の収入は上がらず、新しい弁護士の採用が困難な状況です。地方はなおさらその傾向が強いと思います。また、男女の格差も顕著です。このように、構造的に多極化が進んでいると思わざるを得ません。
この三つの問題を少しでも解決することを目的として研究会を立ち上げました。2024 年12 月に発刊した報告書(第1 版)、2025 年3 月に発刊した報告書(第2 版)に加え、今回の第3 版では第2 版を改訂し、不祥事問題について、論を進めました。また、全国の副代表から、それぞれ取り組むべきと考える弁護士の未来の課題について意見を頂き掲載いたしました。是非、ご覧ください。弁護士が目指すべき方向への羅針盤となるべく活動していく所存です。
今後とも、よろしくお願いいたします。
これからの弁護士の未来研究会
代表 矢吹 公敏